ETHの強気シナリオ(The Bull Case for ETH)
はじめに
こちらはEtherealizeチームから正式な許諾を受けて翻訳を行いました。このような機会を提供してくださったEtherealizeチームに心より感謝申し上げます。
全文は36ページに及ぶ大作のため、冒頭文のみをニュースレターに掲載させて頂きます。全文はダウンロードボタンよりダウンロードしていただけますので、お手元でお読みいただけますと幸いです。
レポート原文(直リンク):https://ethdigitaloil.com/
目次
エグゼクティブ・サマリー
主要ポイント
ETHを理解する: デジタル経済を駆動するデジタルオイル
ETHの金融設計: シンプル、透明、かつ持続可能
なぜETHはBTCに遅れたのか
ETH: バリュエーションの枠組み
グローバル準備資産としての類似比較(バリュエーション・コンプ)
Ethereum: ETHの上昇を支えるインフラストラクチャ
なぜEthereumは金融インフラとして独自の適性を持つのか
なぜEthereumはルネサンス期に入ろうとしているのか
EthereumとAI: 自律経済を駆動するエンジン
Ethereum: 自律型エージェントのために構築されたインフラ
Ethereumのツールチェーン: エージェント開発とコラボレーションのためのプラットフォーム
ETHの強気シナリオ
エグゼクティブ・サマリー
世界の金融システムは、資産がデジタル化され、オンチェーンへと移行していく中で、世代的な転換点を迎えようとしている。
半デジタルで完全に分断された従来型の金融システムから、完全にデジタルでコンポーザブル(組み合わせ可能)な金融システムへと進化するためには、世界中の資産を支える、安全で中立的かつ信頼性の高いグローバル決済レイヤーが不可欠である。その基盤として台頭してきたのが、Ethereum(イーサリアム)である。
Ethereumの機関投資家による採用は急速に加速しており、米国の規制枠組みはブロックチェーン・イノベーションを公然と支持する姿勢を示し、デジタル資産は伝統的な投資ポートフォリオの中で主流の構成要素になりつつある。
Bitcoin(ビットコイン)が、主権国家の支配を超えた希少な貨幣資産として「デジタルゴールド」と広く認識されるまでには、15年の歳月を要した。EthereumはBitcoinを補完する存在である。価値を保存するだけでなく、価値の移転、信頼の形成、そしてグローバルな価値の協調をシームレスに実現する。ETHは、次世代のアップサイド優位の投資機会であり、機関投資家のデジタル資産ポートフォリオにおける中核を占める資産として台頭するポジションにある。
Ethereumはすでに、ステーブルコイン、高価値のトークン化資産、そして(Layer 2ネットワークを通じた)機関向けブロックチェーン・インフラのデフォルト・プラットフォームとなっている。現在、トークン化された資産の80%以上がEthereum上に存在している。
世界有数の資産運用会社やインフラ提供者から信頼されるEthereumの地位は、その堅牢なアーキテクチャに起因する。Ethereumは世界で最も安全かつ分散化されたブロックチェーンであり、比類なき信頼性とゼロ・ダウンタイムを提供している。
しかしながら、この変革的なシステムを支える資産であるETHは、今日のグローバル市場において、依然として最も著しく過小評価されている投資機会の一つである。Ethereumが明確な市場支配力を持ち、重要な技術アップグレードを遂げているにもかかわらず、ETHは依然として2021年の史上最高値を大きく下回る水準で取引されている。この価格乖離が永続することはないと我々は考えており、ETHの独自の価値提案を理解することは、現在あらゆる資産クラスの中で最大級の上昇余地を捉える機会となる。
ETHは単なるトークンではない。オンチェーン経済における担保であり、計算の燃料であり、利回りを生む金融インフラである。ETHは積極的に備蓄され、ステークされ、バーンされ、利用されている。ETHは、生産的な準備資産として機能する、デジタル経済を駆動するデジタルオイルである。
レポート概要
本レポートでは、長期的な価値創出、テクノロジーへのエクスポージャー、そして将来にわたって通用する金融インフラを重視する機関投資家の戦略において、ETHが中核的な投資配分として考慮されるべき理由を検討する。本レポートは、以下の3つの主要セクションで構成されている。
● ETHを理解する:デジタル経済を動かすデジタルオイル
本節では、EthereumとETHの関係、ETHのユーティリティおよび独自の特性、資産としてのETHの価値を評価するための適切な評価フレームワーク、そしてアップサイド優位な投資機会や生産的な価値保存手段を求める機関投資家のポートフォリオにおいて、ETHが現在過小評価され、十分に組み入れられていない理由について考察する。
● Ethereum:ETHの上昇を支えるインフラ
本節では、Ethereum・ネットワークの勢いが高まっている背景にある構造的・技術的・経済的な要因を取り上げる。Ethereumがグローバルなデジタル金融システムの基盤レイヤーとしての地位を確立していく可能性が、ETHの経済的重要性を支え、さらに増幅させる理由を提示する。
● EthereumとAI:自律型経済のエンジン
本節では将来を見据え、自律型エージェントによって駆動される金融システムにおいて、Ethereum、ひいてはETHが果たし得る役割と価値を評価する。
Key Takeaways
● ETHはデジタルオイルである:ETHはEthereum経済の燃料であり、ユーティリティ、希少性、利回りを通じて価値を蓄積する。
● ETHは検閲耐性を備えた価値保存資産である:ETHは、デジタル経済における決済・セキュリティ・担保資産である。Ethereum上で外部主体が管理するトークン化資産(ステーブルコイン、現実資産、許可型金融商品)が増加するにつれ、価値保存資産を基軸とする検閲耐性のある準備資産の必要性は極めて重要になる。
● ETHはテック企業ではない:評価フレームワークは進化しなければならない。ETHは手数料収入だけを基準にテック株のように評価できるものではなく、Ethereumはグローバルな準備資産に包まれた独自のデジタル・インフラなのである。
● プログラム化された発行+バーン=予測可能な希少性:ETHの理論上の最大総発行率は年率1.51%¹であるが、プラットフォーム利用に伴うコモディティ的なバーンによって、実際の純発行量はそれを下回ることが多い。2022年9月以降、ETHの供給インフレ率は約0.09%²にとどまり、法定通貨およびBTCの双方を下回っている。
● ETHはバリデータ・ステーキングによるネイティブな利回りを提供する:ステークされたETHは、生産的³で利回りを生むデジタル・コモディティである。
● ETHはすでに準備資産である:ETHはすでにEthereumのデジタル経済における準備資産であり、近い将来、機関投資家や主権国家にとっても準備資産となる。
● ETHは過小評価されている:ETHがBTCに後れを取っている状況は、構造的な弱さではなく一時的なミスプライシングであり、その結果、まれに見るアップサイド優位な投資機会が生まれている。
● 将来のAI経済におけるETHの役割は織り込まれていない:自律エージェントが金融の世界に統合されていくにつれて、新たなタイプの経済インフラが必要となる。Ethereumはこの未来を支えられる唯一のプラットフォームであり、ETHをネイティブ通貨および準備資産とするマシン・エコノミーのオペレーティングレイヤーとして機能することになる。
● ETHは数兆ドル規模のポテンシャルを持つ:短期的には8,000ドル、長期的には通貨的準備資産・コモディティ資産として80,000ドル以上に到達する可能性がある。
¹ この最大インフレ率は現在の供給量に基づくものであり、インフレ率は供給量の変化に応じて逆方向に変動する。
² データはultrasound.moneyより(Merge以降の期間で算出)
³ ステークされたETHがアクティブなバリデータ運用と組み合わさることで利回りを生むという点は、しばしばETHを「生産的」な価値保存資産と表現する根拠となるが、このダイナミクスは、金が貸し出されたり担保として差し出された際に収益を生む構造と類似している。いずれの場合も、本質的に生産的なのはコモディティそのものではなく、それを取り巻く外部のサービス活動である。ETHの中核的な価値は、割引キャッシュフローではなく、希少な貨幣的コモディティとしての役割に基づいている。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
by Nick, Fracton

